本記事は、YouTubeチャンネル「学識サロン」で紹介された動画の内容を参考に、石井力重さんの著書『AIを使って考えるための全技術――「最高の発想」を一瞬で生み出す56の技法』のエッセンスを解説します。
「AIのアイデアはつまらない」と諦めていませんか?本書で紹介されている56の技法を実践すれば、AIはあなたの発想力を桁違いに高める「最強の相棒」に変わります。特に、プロンプト(AIへの指示文)が丸ごとダウンロードできるという点も本書の大きな魅力です。
AIを「思考の相棒」にする人機協奏(にんききょうそう)とは?
AI時代において重要なのは、「AIに任せる」ことではなく、AIを「一緒に考える相棒」にすることです。著者はこれを、人間と機械が共に考えるという意味の「人機協奏」と呼んでいます。
単純作業をAIに任せ、人間がクリエイティブな発想をするという従来の考えはもう古く、AIとの共創によって、一人で考えるよりも圧倒的に大きな力(20倍以上の効果)を発揮できると説明されています。
しかし、AIの力を引き出すにはコツが必要です。単に「良いアイデアを教えて」と聞くだけでは不十分で、本書にあるような「魔法のプロンプト」をコピペして質問することで、AIの回答の質が劇的に向上します。
AIの力を最大限に引き出す5つの基本ルール
AIを使いこなすために、対話をする際に絶対に外せない5つの基本が紹介されています。これらを知らないと、AIの真の力を引き出せません。
1. はっきりと具体的に聞く
「いろんな方法を教えて」といった曖昧な質問ではなく、「5つから7つ」「20代向け」「高い価格帯で」のように、数字や条件を明確に入れることで、AIは具体的で有用な答えを返してくれます。
2. 全体像を伝えつつ聞く
単に「スマホアプリの企画が欲しい」と聞くのではなく、背景情報(文脈)を共有することが大切です。
- 例:「社会人1年目のビジネスパーソン向けで、通勤時間を有効活用でき、調べ物をする時間を節約できるアプリ」
このように、誰に向けた、どんな課題を解決する企画なのかを伝えることで、AIはより良い回答を出すことができます。
3. いっぺんに聞かずに1つずつ聞く
複数の質問(「これとあれとそれも教えて」)を同時に投げかけると、AIは混乱してしまいます。基本は一度に1つずつ質問をし、対話形式でキャッチボールを続けることで、質の高い回答が得られます。
4. AIのハルシネーション(嘘)に注意する
ハルシネーションとは、AIがまるで本当のことのように嘘をついてしまう現象のことです。特に人名、歴史上の出来事、商品名などの固有名称は要注意です。AIの回答を鵜呑みにせず、必ず裏取りをする必要があります。
5. 自社の守秘義務ルールを遵守
企業の機密情報や社外秘の情報をAIに入力することは非常に危険です。AIを使用する際は、必ず社内規定やルールを確認・遵守しましょう。
AIを活用した発想術:具体的なプロンプト技法
本書で紹介されている56の技法の中から、特に効果的な3つのプロンプト活用法が紹介されています。
技法5:複数の専門家からアイデアを得る
この技法は、AIに複数の専門家になりきってもらい、多角的なアドバイスをもらうものです。
- プロンプト例:「多数の専門家として、[課題や目的]について具体的な案を考えてください」
例えば「街から野良猫を減らす」という課題に対し、AIはクリエイティブな専門家、心理学的研究者、冒険家といった様々な視点から、ユニークな解決策を提案します。
技法7:あえてピントを外して自由な発想を促す
自由な発想をすることは難しいですが、AIを使えば可能です。お題にいきなり向き合うのではなく、あえて距離のある概念にヒントを求めます。
- プロンプト例:「[課題や目的]を記入。その問題から連想できる単語を30個挙げ、次に関連が薄くてもいいので連想できる単語を100個挙げてください」
例えば「自分らしい暮らしができる家作り」の課題に対して「冒険」という単語が抽出されたら、それをAIに投げかけ、「秘密の部屋」や「隠し通路」といったワクワクするアイデアを引き出すことができます。
技法47:人の「本当の悩み」を捉える
すべてのアイデアは、人が何に悩み、何に満足するかにたどり着きます。AIにユーザーの「本当の悩み」を聞き出すことで、良いアイデアが生まれます。
- プロンプト例:「[人や属性]が困っていることをあげてください」
例えば「焼肉店を利用するお客さん」の困り事を聞き出し、さらに「インバウンド観光客」の困り事に焦点を当てることで、言語対応メニューや食べ方ガイド動画といった具体的な解決策を導き出すことができます。
最後に
AIを使いこなし、アイデア発想力や仕事の効率を劇的に向上させたい方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。プロンプト付きで、AIとの共創の「全技術」を網羅できるため、あなたの仕事や私生活に革命が起きるはずです。

